2017年のキーワードBEST10入り「死後離婚」
サンデー毎日の1月22日号に、2017年のキーワードBEST10の特集があり、そこに「死後離婚」が入っています。
ご遺体に向かって、「あなた、もう離婚よ!!!」ってするのが「死後離婚」。
なわけない(笑)
正確には「死後離婚」なんていう衝撃的なネーミングではなく、「姻族関係終了届」を提出することです。
姻族(いんぞく)とは?
噛み砕き過ぎた書き方をすると、結婚によってできた親戚のこと。配偶者(夫や妻)の血族や血族の配偶者が姻族にあたります。
(例)
夫の父母、夫の兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者など。
姻族関係の終了(民法728条)
①姻族関係は、離婚によって終了する。
生きている夫婦が離婚をする場合がコレ。
②夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思表示をしたときも、前項と同様である。
例えば夫が死亡した場合。残された妻が役所へ届出をすることで、夫の血族との姻族関係が終了します。
姻族関係終了届を出すと、配偶者の両親や兄弟姉妹の扶養義務がなくなります。
扶養義務者(民法877条)とは?
①直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
②家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
③前項の規定による審判があった後事情により変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。
第2項の「三親等内の親族」がポイント。
「親族」とは、①六親等内の血族、②配偶者、③三親等内の姻族をいいます。
問題になるのは③三親等内の姻族!
↑
上と同じく、夫が死亡した場合を考えると、
夫の父母は、一親等の姻族。
夫の祖父母は、二親等の姻族。
夫の曾祖母は、三親等の姻族。
夫の伯父伯母(叔父叔母)は、三親等の姻族。
夫の兄弟姉妹は、二親等の姻族。
夫の甥姪は、三親等の姻族。
夫の連れ子は、一親等の姻族。
夫の連れ子の子は、二親等の姻族。
夫の連れ子の孫は、三親等の姻族。
になります。
夫亡き後、姻族関係終了届を出していないと、上記の人達の扶養義務がある(場合がある)のです。
自分に置き換えて考えてみて下さい。いろいろ思うことはありませんか?(;´∀`)
するしないは別として、最近増えている「死後離婚」について知っておいても損はないです。
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