第1回縁起でもない話をしよう会「死を目前にゆらぐ心」@鹿児島市和田
縁起でもない話をしよう会
医療や介護・死の問題など、「縁起でもない話」として避けられがちな話題だけれども、本当は語り合うことが大切な話。それらに関するネタを話題提供者に話してもらい、その後に参加者同士で対話する場が「縁起でもない話をしよう会」です。
縁起でもない話を気軽に話せる程、人と人とのつながりのあるコミュニティ(地域・家族も含め)になると過ごしやすく、生きやすくなると私は思っています。
左から妙行寺の井上ご住職、上村ひさみさん、平野先生。
第1回目でしたので、最初に「縁起でもない話をしよう会」開催に至る経緯を井上ご住職がお話下さいました。
進行役のひさみさんがキッチリ時間管理。
予想以上に参加される方が多く、途中で椅子を追加。最終的には、中学生から80代の方まで約50名もご参加くださいました。
死を目前にゆらぐ心
第1回の話題提供者は鹿児島生協病院の外科医、平野慎一郎氏。
平野先生が長崎にいらっしゃった頃に接した3人の患者さんの話を例に、私たちにいろんな気づきを与えて下さいました。
しづらい話
"Elephant in the room"=みんなが見て見ぬふりをしている重要な問題、言い換えると「縁起でもない話」は最期の時が近づく程しづらくなります。
最期の時が近づいたときに「縁起でもない話」をしづらくなる原因として平野先生は3つのことを挙げられました。
①侵襲的な話題になるために避ける。
※侵襲=からだの内部の恒常性を乱す可能性がある刺激一般のこと
②病状や環境の急な変化を理解できない、受け入れられない。
③本人の判断能力が不足した状態となりやすい。
→80%の方の最期は判断能力に欠ける状態となるそう。
何も話をせぬまま最期の時を迎えると、本人としては伝えたいことを伝えられない、周りの人としては伝えてほしいことを伝えてもらえないという事態になります。
そういった事態を避けるために、終活アドバイザーとしてはエンディングノートを書いて家族とコミュニケーションをとることをお勧めしています。
平野先生も、何らかの病を患う前に、病を抱えていても元気なうちに、大切なことやもしものことについて考えたり、話し合ったりした方がいいですよ、と。
★ポイント★
もしもの時に備えてよく準備しておく(話し合っておく)
ゆらぐ心
考えたり、話し合ったりしていても心は揺らぎます。
「家族や周りの人と密にコミュニケーションをとっていても、病状や環境の変化の中で気持ちや方針が変わっていくのは当たり前。みんな迷いながら進んでいる。決断を先送りにするのもひとつの手。」
内科を経験した後に外科医となり、がん患者さんたちとも接してきた平野先生のことばに私自身救われました。
★ポイント★
気持ちや方針、決定ごとは変わってもよい(むしろそういうもの)
人生は選択の積み重ね
師匠と仰いでいらっしゃる(多分)先生のことば「人生は選択の積み重ねである」から、「自分らしく生きるとは、自分らしい選択を積み重ねていくこと」だと。
人のいのちは、”物語られるいのち=人生”と”生物学的生命=生命”があり、医療は人生の展開のための土台である”生物学的生命”を支えています。
病により土台である”生物学的生命”がゆらぐと、選択の幅は狭まりますが、私たちは「物語る動物」であり、他者の物語も一緒に紡いでいます。
選択の幅が狭まってしまっても、自分らしい選択をし、周りの人がその選択を支えるために、「縁起でもない話」を大切な人達としていくことが重要です。(物語の共同著作)
パワーポイントを使っていらっしゃって、視覚的にも理解しやすかったです。
★ポイント★
大切な人との良好なコミュニケーションを築く
平野先生は、実例を挙げながら、医学的専門用語をほとんど使わず、医療関係者でない私たちにもわかりやすくお話して下さいました。
語り合ってみようタイム
平野先生から考えるネタをたっぷりいただいた後は、参加者同士で語り合ってみようタイム。近くに座っている方と語り合います。
↑語り合うためのネタ。
縁起でもない話を語りに語り合う参加者の皆様。多様な方々と「縁起でもない話」に語り合える機会は貴重です。
「貴重です」ではなく、「日常です」と言えるようにしていきたいな。
第4回目の話題提供者である小齊平先生(帽子をかぶっている方)は”もしバナゲーム”を出してさらにお話を広げてくださっていました。
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この後、メンバーを変えたグループを作り、「縁起でもない話」をさらに語り合いました。時間通り21時に終了した後も、名残惜しそうに立ち話をされていらっしゃる方が多かったです。
最後に
平野先生のお話された内容をだいぶ書いてしまいましたが(平野先生ごめんなさい)、「縁起でもない話をしよう会」がどんな感じであったか伝わりましたか?
1回目に参加したくてもできなかった方、2回目以降参加してみようかなと思っている方に、平野先生のわかりやすく心に響くお話と、語り合いの場の雰囲気が伝われば本望です。
縁起でもない話をしよう会、次回以降のお知らせ
縁起でもない話をしよう会は、参加費無料、予約不要。話を聞くだけではなく、参加した方同士語り合う時間もあります。今後2ヶ月に1回開催されます。
◆2回目◆
日時:2018年9月11日(火)19時~21時
話題提供者:浜田努氏(きいれ浜田クリニック院長)
◆3回目◆
日時:2018年11月14日(水)19時~21時
話題提供者:黒野明日嗣氏(いづろ今村病院院長)
◆4回目◆
日時:2019年1月16日(水)19時~21時
話題提供者:小齊平智久氏(相良病院医師)
場所は、妙行寺の門徒会館(鹿児島市和田1-4-1)で、境内に駐車OKです。
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