空の色、心の色。
同じ日の同じ空をだいたい同じ場所から撮っても、こうも違うものか。
スマホで撮影。
並べてみると違いがわかりやすい。
肉眼で見ると左のデジカメで撮影した方に近いのだけれども、心の中での見え方は右のスマホで撮影した方に近い。
カメラは一瞬を捉えるのに最適な道具だ。
その一瞬をとらえるために、プロは学び、実践し、自分のそして相手の最高の一瞬を目指す。
プロと違い、私が撮る写真は自分のための記録用であることがほとんどだが、撮るために集中する時間は他のことを一瞬だけでも忘れるために役に立つ。
話をもとに戻そう。
父の見舞いに行き、窓の外を見たら虹が見えた。
それを父に見せたかったから撮った。
父のお腹からは管が4本ほど出ていて(1本は腸ろう)、無意識に引き抜かないように両手はミトンを付けた上でベッドに紐でくくりつけられている。ベッドの上の父からは、空の一部分は見えるが、虹は見えなかったから撮った。
以前私が作ったアルバムを「見たい」と言うから、面会時間が終わるギリギリまで2時間弱、一緒に見た。 途中、お手洗いに行くときに廊下の窓から見える空が綺麗だと思い、写真を撮って父に見せた。
動けない父に、動けたら見える風景を見せることがいいことなのかどうかはわからない。
アルバム2冊を見尽して、眠そうにした父に「疲れたの?私帰ろうか?」と問うと、「いや、もう少しいてよ。暇だがね。」と言われた。
翌日は見舞いに行けない予定だったので後ろめたい気持ちもあり、しばし座る。真っ赤な血の混じった痰を吐くから、ティッシュで何度もとった。
また空の色が変わった。
夜は更け、夜は明ける。
翌日、福岡で友人たちと夜景を撮った。飲んだ。喋った。
一眼が欲しくなった。単焦点レンズがほしい。
サンタさーん!足長おじさんでもいい!ねぇ!!!(笑)
さらに翌日、父のもとへ行った。
「退院できるかわからんよ」ぼそっと言った。
「治療方針の紙に退院のめどは1ヶ月って書いてあったけどさ、きついの?」と尋ねると、「きついよー」と父。あとで母に聞いたが、母には弱音を吐かないらしい。
入院する前の日も二人のときに「大きな手術だってよ。こわいよ。」と言ったが、手術日に見舞いにきた人たちの前では「今から解体ショーよ」と父はおどけていた。
吐けるところがあるからまぁいっかと思う娘だからこそ吐いてくれるのだろうか。
ちょっと前まで話が全然かみ合わないときがあったのに(高次脳機能障害のため)、近頃はなんでしっかり話ができるの?大丈夫なの?と違う心配をしているのだけれど。
夜は更け、夜は明ける。
今日の空はどう見えるだろうか。
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